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さがら もえ|株式会社シフトメディカル/美容看護師・美容医療導入リサーチャー
現役の美容看護師がおこなう自費診療の導入支援先生が決めたあと、動くのは現場です。
保険診療クリニックの自費導入を、メニュー選びだけでなく院内のオペレーションとスタッフの納得までを含めて設計します。産婦人科・乳腺外科・心臓血管外科での6年と、美容クリニックでの技術統括・立ち上げの両方を経験した看護師として、小さく試して確かめる進め方に伴走します。
LINEで相良さんに相談する産婦人科・乳腺外科で3年、循環器・心臓血管外科で3年。保険診療の病棟で6年を過ごしたのち、美容医療へ移った看護師です。大手美容クリニックでは、院の皮膚科技術を取りまとめてスタッフの技術チェックと知識の統一を担う「スキンチェッカー」を務め、あわせて院のチーフとして運営にも携わりました。その後、都内の美容クリニックの立ち上げから2年2ヶ月にわたり主任を務めました。続けて、保険診療がメインのクリニックで自費メニューの導入をサポートし、その後は美容クリニックの開業サポートにも関わっています。
現在は保険診療と自費診療の両方を行うクリニックに勤務しながら、2026年9月より株式会社シフトメディカルの「お試し美容外来」に参画。保険診療のクリニックが自費をはじめるとき、院長が決めたあとに現場で何が起きるのかを、実際に手を動かしてきた立場から見ています。メニューや機器の選定にとどまらず、誰がどう動くのか、スタッフにどう伝わるのかまでを含めて、小さく試しながら進める導入に伴走します。
自費導入がつまずくのは、機器でも価格でもなく「現場がやると思えているか」だと考えています。スタッフ側にいた経験から、何が抵抗になっていて、どう伝えると納得が生まれるのかを一緒に整理します。
予約の取り方、初回の説明を誰がするのか、既存の保険診療の合間にどう入れるのか。休診日の半日から始める形まで含めて、現場が実際に動ける手順に落とします。
スキンチェッカーとして院の技術チェックと知識の統一を担ってきた経験から、スタッフによって説明や施術がバラつく状態を整えます。新しく始める方がどこでつまずくかも具体的に見ています。
自費を導入したクリニックや、保険と自費をつなぐサービスを取材しています。うまくいった話だけでなく、想定と違ったところも含めて、他院で実際に何が起きたのかをお伝えします。
自費診療は保険の外側にある分、売上の話と結びつけて語られがちです。相良さんが持ち込むのは、心臓血管外科の病棟で身につけた「安全で安楽」という基準。攻めた提案よりも、患者さんが安全に帰れること。始める前に知っておいたほうがいいことは、始める前に正直にお伝えすることを大切にしています。
お打ち合わせの合間にも、相良さんは美容医療の現場の"本音"を惜しみなく語ってくれました。プロフィールに収まりきらなかった、相良さんの視点をご紹介します。
保険診療のクリニックが自費を始めるとき、いちばんのつまずきはどこかと尋ねると、返ってきたのは「やると思えるかどうか」という答えでした。「先生だけが決めても、実践するのはスタッフです。そこの理解を得られるかどうか」。相良さんが現場で聞いてきたのは、もっと生々しい声だといいます。「業務量は増えたのに給料は変わらない、とみんな言っていました」。ここを避けたまま進めても院は動かない、というのが実感です。
スタッフが自費メニューを案内できないのは、やる気の問題ではない。自分が受けたことのないものを人に勧められないだけだ、と相良さんは言います。だからこそ、まずスタッフ自身に体験してもらう。その順番を飛ばさないことが、動き出す院とそうでない院を分けるといいます。
美容の経験がないスタッフを抱える院長に向けて、相良さんはこう話します。患者さんの気持ちにいちばん近いところにいられるのは、じつは始めたばかりの人。保険診療しかやってこなかったことを、そのまま強みに置き換えられるという見方です。
数多くの現場を見てきて、うまくいく院とそうでない院を分けるのはチームとしてお客さんに向き合えているかどうかだと相良さんは言います。院長が一人で旗を振っている状態では、そこで止まってしまう。
たとえば、と挙がったのが2つでした。ひとつは「再来を促すLINEや、次の予約につなげるアクションを、みんなで共有できているか」。もうひとつは「なぜこのお客さんはうちに来るんだろう、をみんなで考えられているか」。どちらも、誰か一人が担当していれば済む話ではありません。
教育やマネジメントで大切にしているのは、「自分が動いて背中を見せて、それを真似したいとスタッフに思ってもらえる組織作り」。一人の強いリーダーが引っ張るのではなく、周りに助けてもらいながら進めるスタイルです。自費の導入を院長ひとりの決断で終わらせないための、現場からの方法論でもあります。
※本コーナーは、お打ち合わせでの会話をもとにドカリー編集部が再構成したものです。